冷間鍛造・VA/VEセンターでは自動車業界を中心として様々な部品を手掛けてきました。ここ数年では、脱炭素の流れから自動車業界においてもEVシフトの流れが来ています。結果、従来の部品サプライチェーンの構造に変化が起きており、加えてSDGs等の兼ね合いから環境に配慮した生産・製造工法が求められ、冷間鍛造・冷間プレスは時代のニーズに即した加工法として注目を集めています。
今回の記事では、冷間鍛造が注目される理由の一つである切削レスについてご紹介させていただきます。
冷間鍛造とは、常温の金属材料に圧力を加えて目的の形状、寸法に成形を行う塑性加工の一つです。加工を行う際の金属材料の温度によって、「熱間鍛造」「温間鍛造」「冷間鍛造」と加工方法の呼び方が変わります。
金属の加工で最もポピュラーといえるのが切削加工です。切削加工は、鋳造や鍛造加工などと比較して低コストかつ短納期での加工が可能です。NC機械などで加工する際は、10ミクロンの公差などにも対応可能であり、機械の加工可能な範囲であればさまざまな材料の厚みに対応し、複雑な形状であっても目的の形状に加工することができるため自由な形状かつ高精度な加工を行うことができます。
ただ一方で、大量生産の場合にはコストが掛かってしまうこと、刃物の摩耗などから同様の製品を複製することが難しいなど量産を行う上ではデメリットとも言える点がいくつかあります。
・コストがかかる
‐ 加工時間が長く、廃材を多く出すためコストが掛かってしまいます。
・高い技術力が必要
‐ ワークに応じて切削工具や加工内容を適切に使い分ける必要がありますす。
・不得意な材料がある
‐ 柔らかい材料(粘性が高い)と加工時の表面が荒れやすいなど加工が難しい材料があります。
・歩留まりの悪化
‐ 加工時に発生する切りくずの除去が必要で、歩留まりが発生します。
常温の金属に圧力を加えて加工を行う冷間鍛造には、切削レスによる「省資源」以外にも「大量生産」「材料特性の改善」「加工精度・表面仕上げ」など様々なメリットがあります。
・材料ロスが少ない
‐ 材料を変形させるため、廃材が発生しづらくエコな生産が可能です。9段式のパーツフォーマーを
持つ当社では複雑形状の製品でも、より材料ロスの少ない形状で大量生産が可能です。
・材料特性の改善
‐ 切削と違い材料に大きな圧力を加え変形させているため加工硬化により製品強度が向上します。
冷間鍛造・VA/VEセンターを運営するアライパーツでは、冷間鍛造化を検討中の部品・冷間鍛造部品のQCDカイゼンを検討中の部品に対して高精度化や形状・材料変更によって切削レスに繋げています。
・加工時間の短縮、材料ロス減少によるコストダウン
‐ 切削加工に比べて加工時間が短く、材料ロスも抑えられるため、
エネルギー性、資源性の観点からコストダウンが可能です。
・加工方法によるコストダウン
‐ 従来2つの部品を組み合わせて製造をしていたような複雑な製品に関しても、一体化による
工法転換が可能です。結果、加工時間の短縮や工程省略など様々なコストダウンを実現します。
当社アライパーツは、冷間鍛造品の設計・製造を得意としております。冷間鍛造品の設計・製造に関してお困りの方は、お気軽にご相談・お問い合わせください。お問い合わせいただければ、オンライン商談や工場見学についても随時承っております。
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