技術コラム

2024.2.14

ギアシャフトの冷間鍛造化におけるメリット

ギアシャフトとは?

ギアシャフトは、機械や機構においてギアを支持し、回転運動を伝達する役割を果たす軸のことを指します。一般的に、ギアシャフトは軸受けに支持され、複数のギアがその上に取り付けられており、回転力や運動を伝達する機能を担っています。

ギアシャフトは、自動車のトランスミッションやエンジン、産業機械、航空機、建設機械などさまざまな機械や機構で使用されています。ギアシャフトの設計は、負荷や運動条件に応じて行われ、高い耐久性と正確な運動伝達を実現するために設計されます。

ギアシャフトの材質

ギアシャフトの材質にはいくつかの選択肢がありますが、一般的に以下のような材料が使用されます。

  1. 炭素鋼(Carbon Steel): 一般的な機械部品に使用される多くのケースで、十分な硬度と耐久性を提供します。
  2. 合金鋼(Alloy Steel): 高い強度と耐熱性が求められる場合に使用され、耐摩耗性や耐腐食性を向上させることができます。
  3. ステンレス鋼(Stainless Steel): 耐食性が求められる場合や特定の環境条件で使用されます。一般的に、耐食性や耐摩耗性が必要な場合に適しています。
  4. アルミニウム合金(Aluminum Alloy): 軽量性が求められる場合や特定の応用で使用されますが、一般的には鋼よりも強度に欠けるため、適切な設計が必要です。

これらの材料は、ギアシャフトに要求される特性や応用によって選択されます。耐久性、耐摩耗性、耐熱性、軽量性などの要件に応じて最適な材料を選択することが重要です。※アルミ合金系は、強度の観点から利用頻度は低い材質と言えます。

ギアシャフトの冷間鍛造化のメリット

ギアシャフトの冷間鍛造化にはいくつかのメリットがあります。

  1. 高い強度: 冷間鍛造による加工硬化により、製品強度・耐久性の向上が見込めます。
  2. 材料コストの低減: 冷間鍛造は高い精度で成形が可能であり、不要な切子を最小限に抑えることができます。このため、余分な材料の無駄を省きながら精密な形状が実現できます。
  3. 負荷耐性の向上: 冷間鍛造は切削と異なり金属繊維(ファイバー)が繋がった状態のため、材料の耐疲労性や耐衝撃性が向上します。
  4. 生産効率の向上: 冷間鍛造は比較的高速で行うことができるため、大量生産に適しています。また、製品の加工経緯が短いため、生産効率が向上します。

これらのメリットにより、ギアシャフトの冷間鍛造化は、高強度・高耐久性の製品を効率的に製造するための有力な手段となっています。一方でデメリットもあります。

ギアシャフトの冷間鍛造化のデメリット

ギアシャフトの冷間鍛造にはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。

  1. 材質の限定: 冷間鍛造では、鍛造可能な材料に制限があります。特定の種類の鋼などの金属材料が一般的に使用されますが、他の材料には適さないことがあります。
  2. 成形限界: 材質や形状によっては、複雑な形状や内部構造を持つ部品の製造が難しい場合があります。特に内部の空洞や複雑な加工が必要な場合には、他の方法が適している可能性があります。
  3. 表面処理の必要性: 冷間鍛造によって形成された部品は、表面の仕上げが滑らかでないことがあります。そのため、仕上げを行うための追加工程が必要になることがあります。

これらのデメリットを考慮しても、製品の設計や製造プロセスを検討することで十分なメリットのある工法です。特に材料や形状に関する要件に応じて、最適な製造方法を選択することが重要です。

ギアシャフトの冷間鍛造化事例

1.自動車パワースライドドア用ギアシャフト

本事例は自動車のパワースライドドアに使用されるギアシャフトです。特長は2カ所の異なるギヤ部が存在し、歯数が異なり要求精度も厳しい製品でした。ギアシャフトは一般的に焼結+切削や全切削などで行いますが、本製品は一部分だけを切削化することでコストダウンに成功しています。

自動車パワースライドドア用ギアシャフトの詳細はこちら

その他、類似形状の製品をご紹介いたします。

2.自動車シート部品用カムシャフト

本事例は、自動車シート部品用カムシャフトです。特徴としては、写真にある通りカムのような形状を持つ点と、軸部にインボリュート形状を持つ点が挙げられます。従来はカム・軸の2部品で構成される製品でしたが、当社でパーツフォーマによる一発成形をご提案し、部品の一体化を行うことでコストダウンを実現しました。

自動車シート部品用カムシャフトの詳細はこちら

3.自動車シートリクライニング用ピニオンギア

本事例は、自動車シートのリクライニング機構の部品です。特徴としては、写真にある通り、頭部のインボリュートギアと軸部のセレーションからなる複雑形状を持つ点が挙げられます。1つの部品に2つの要素が入っているとパーツフォーマー+切削二次加工での製造となる事が多いのですが、多段式のパーツフォーマーを駆使し冷間鍛造一発成形に成功しています。

自動車シート自動車シートリクライニンの詳細はこちら

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